「資産」を「配分」する、アセットアロケーションとは
実際に投資することになったとき、あなたならその資金で何を購入しますか?
株?国債?それとも外貨?候補は様々です。これらを少しずつ買いますか?一点買いしますか?どのように投資資金を配分するのが適切なのか考えてみましょう。
前回の記事は「貯金の中の何割を投資に回すべきか」という内容でした。今回は、「投資する資金で何を買うか」という内容です。
「資産」を「配分」する、アセットアロケーションとは
金融資産を配分することををアセットアロケーションと言います。アセットは英語で「資産」、アロケーションは「配分」を意味します。そのままつなげただけです。
アセットには現金、国内債券、国内株式、海外債券、海外株式、不動産、コモディティ(金や原油といった実物資産)などが含まれます。これらの各種資産の配分割合を考えることは、リスクとリターンを考える上で重要です。
簡単に言えば、何をどれくらい買いますか?ということです。
今回は、前回の記事にも使用した、100万円のうち生活防衛資金をのぞいて4割の資金を投資に回すという設定とします。
生活防衛資金と貯金は、どちらも貯金ということに変わりはありません。分かりやすくするために同じ色にしています。
1つの対象につぎ込むことはハイリスク・ハイリターン
さて、上記の例で言う投資に回す4割、20万円は何に投資しようか。ここが問題です。例えば20万円全てでイオンの株を購入したとしましょう。記事執筆時点でイオンの株価は1,642円。最低購入株数は100株ですから164,200円で購入できることになります。手数料は無視します。
半端に残った金額はそのまま貯金しておくとすると、グラフはこのようになります。
この場合、資金の33%をイオンという1つの企業につぎこんでしまったことになります。生活防衛資金を含めても16.4%なのでかなり高い割合です。イオンが倒産してしまえば投資した164,200円は返ってきませんし、資産の16%が失われます。
相当の自信があるのでなければ、個別の資産に投資資金を全ツッパするようなことはやめましょう。なんらかの確信を持って、イオンの株価が必ず上昇すると見ているならこれでも構いませんが、高いリスクを取っているという自覚が必要です。
イオンのリスクが高いと言っているのではありません。
一点集中で資金を投下することはリスクが高いということです。
投資の基本は分散投資
たとえば20万円を5万円ずつ日本株・日本国債・海外株・海外株式に投資するとしましょう。
これなら、先ほどの例と比べても、リスクが分散できていることが分かると思います。仮に、日本国内の景気が極端に悪くなったとしても、影響は10%にとどまりますし、その間に海外に投資した分は増えている可能性もあるのです。
リスクもリターンも「株式>債券」
一般的に、債券よりも株式のほうがリスクもリターンも高いと言われています。債券は償還期日も利率も決まっていますが、株式は将来の企業の業績を予測しなければならず、不確定な要素が多いためです。もしあなたがリスクを取ってでも高いリターンを狙いたいと思うのならば株式の比重を増やして債券の比重を減らすといいでしょう。逆にリターンをへらしてでもリスクをもっと抑えたいと思うのならば、株式の比重を減らして債券の比重を増やすべきです。
終わりに
投資は上がるか下がるか、丁半博打のようなものだと思っている方がいれば、それは間違いです。長期的に、世界の経済成長に伴って、自分の資金をゆっくりと着実に増やしていくものだ、という考え方に改める必要があります。もちろん、世界経済の50年後は今よりも悪化している、と考える人は投資を始めるべきではありません。
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